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FTAのtree logic (5)

posted by sakurai on December 9, 2024 #908

図903.1のTreeをFault Tree Logic構文で記述したものが以下の表です。

Fault TreeGateTypeInputs
ESL*ESLORGT1, EV2
GT1ANDC1, C2, C3
C1ORTRUE
C2ORGT12, EV166
GT12ORGT131, GT122, GT130
GT131ORGT31, GT32
GT31ANDC16, GT35, GT132
C16ORBE001_23, BE012
BE001_23ORGT121, GT1201, BE001_01, BE001_03, BE001_02, BE001_05
GT121ORBE001_09, BE028
GT1201ORBE027, BE025
GT35ORBE001_20, GT93
BE001_20ORGT121, GT1201, BE001_01, BE001_03, BE001_02, BE001_05
GT93ORC21, GT94
C21OREV162, BE008
EV162ORFALSE
GT94ORGT95, BE001_16
GT95ORGT97, BE011G, BE010_02
GT97ORBE002_18, BE002_16
BE002_18ORGT118, GT119, BE002_01, BE002_03, BE002_02, BE002_05
GT118ORBE025, BE030
GT119ORBE002_09, BE031
BE002_16ORGT118, GT119, BE002_01, BE002_03, BE002_02, BE002_05
BE011GOREV164, BE011
EV164ORFALSE
BE001_16ORGT121, GT1201, BE001_01, BE001_03, BE001_02, BE001_05
GT132ORGT117, GT123
GT117ORGT110, GT124, GT125, GT126
GT110ANDEV188, EV72
EV188ORFALSE
EV72ORFALSE
GT124ORBE005_02, BE005_01
BE005_02ORFALSE
GT125ORBE001_18_01, BE001_18_02, BE001_18_03
BE001_18_01ORGT121, GT1201, BE001_01, BE001_03, BE001_02, BE001_11
BE001_18_02ORFALSE
BE001_18_03ORFALSE
GT126ORBE005_02, BE005_03
GT123ORBE001_22_01, BE001_22_02, BE001_22_03
BE001_22_01ORGT121, GT1201, BE001_01, BE001_03, BE001_02
BE001_22_02ORFALSE
BE001_22_03ORFALSE
GT32ANDC16, GT37, GT38, GT133
GT37ORGT101, BE009
GT101ORGT121, GT1201, BE001_01, BE001_03, BE001_02, BE001_05
GT38ORBE001_19, GT103, GT104
BE001_19ORGT121, GT1201, BE001_01, BE001_03, BE001_02, BE001_05
GT103OREV182, BE006
EV182ORFALSE
GT104OREV183, BE007
EV183ORFALSE
GT133ORGT127, GT128
GT127ORBE013_02, BE013_01
BE013_02ORFALSE
GT128ORBE001_24_01, BE001_24_02, BE001_24_03
BE001_24_01ORGT121, GT1201, BE001_01, BE001_03, BE001_02, BE001_05
BE001_24_02ORFALSE
BE001_24_03ORFALSE
GT122ORBE001_25_01, BE001_25_02, BE001_25_03
BE001_25_01ORGT121, GT1201, BE001_01, BE001_03, BE001_02, BE001_05
BE001_25_02ORFALSE
BE001_25_03ORFALSE
GT130ORBE014_02, BE014_01
BE014_02ORFALSE
EV166ORFALSE
C3ORGT19, EV3, EV185
GT19ORGT107, GT134, GT135
GT107ANDC11, C13, C14
C11ORGT87, BE023
GT87ORGT118, GT119, BE002_01, BE002_03, BE002_02, BE002_05
C13ORBE002_18_01, GT91
BE002_18_01ORGT118, GT119, BE002_01, BE002_03, BE002_02, BE002_05
GT91ANDBE011G, BE189
C14ORGT111, GT136
GT111ANDGT109, GT113
GT109ORGT110, GT137, GT138, GT139
GT137ORBE002_17_01, BE002_17_02, BE002_17_03
BE002_17_01ORGT118, GT119, BE002_01, BE002_03, BE002_02, BE002_15
BE002_17_02ORFALSE
BE002_17_03ORFALSE
GT138ORBE005_02, BE005_01
GT139ORBE005_02, BE005_03
GT113ORGT132, BE002_16_01, BE001_16_01, BE010_01
BE002_16_01ORGT118, GT119, BE002_01, BE002_03, BE002_02, BE002_15
BE001_16_01ORGT121, GT1201, BE001_01, BE001_03, BE001_02, BE001_11
GT136ORBE002_20_01, BE002_20_02, BE002_20_03
BE002_20_01ORGT118, GT119, BE002_01, BE002_03, BE002_02
BE002_20_02ORFALSE
BE002_20_03ORFALSE
GT134ORBE015_02, BE015_01
BE015_02ORFALSE
GT135ORBE002_21_01, BE002_21_02, BE002_21_3
BE002_21_01ORGT118, GT119, BE002_01, BE002_03, BE002_02, BE002_15
BE002_21_02ORFALSE
BE002_21_3ORFALSE
EV3ORFALSE
EV185ORFALSE
EV2ORFALSE



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FTAのtree logic (4)

posted by sakurai on December 6, 2024 #907

この65項の積項から成る論理式が簡単化できるか、ChatGPTに聞いてみます。


以下は与えられた論理式(縦方向がOR、行中のコンマでAND)の因数分解結果です。

(略)

集合Aを $$ A := \{BE001\_01, BE001\_02, BE001\_03, BE001\_05, BE001\_09, BE014\_01, BE027, BE028\} $$ とし、集合Bを $$ B := \{BE002\_01, BE002\_02, BE002\_03, BE002\_09, BE002\_15, BE015\_01, BE030, BE031\} $$ とすると、上記64行はすべて$(a \land b)$で$a \in A, b \in B$の組み合わせによる全ての直積を網羅しています(8×8=64)。

従って、64行分は以下のように因数分解できます。

$$ \bigvee_{a \in A}\bigvee_{b \in B}(a \land b) \\ = (BE001\_01 \lor BE001\_02 \lor BE001\_03 \lor BE001\_05 \lor BE001\_09 \lor BE014\_01 \lor BE027 \lor BE028) \\ \land (BE002\_01 \lor BE002\_02 \lor BE002\_03 \lor BE002\_09 \lor BE002\_15 \lor BE015\_01 \lor BE030 \lor BE031) $$

さらに、元の式にはこれら64個のAND項に加えて1行目に単独のリテラル$BE025$で存在するので、全式は次のようになります。

$$ BE025\\ \bigl((BE001\_01 \lor BE001\_02 \lor BE001\_03 \lor BE001\_05 \lor BE001\_09 \lor BE014\_01 \lor BE027 \lor BE028)\\ \land (BE002\_01 \lor BE002\_02 \lor BE002\_03 \lor BE002\_09 \lor BE002\_15 \lor BE015\_01 \lor BE030 \lor BE031)\bigr) $$

これが要求された因数分解後の論理式です。


この論理式をFT図にすれば過去記事のとおり、次の図のようになります。

図29.1
図29.1 因数分解後のMCS

BE001はメインマイコンであり、BE001_*はメインマイコン各部のフォールトです。さらに、BE002はサブマイコンであり、BE002_*はサブマイコン各部のフォールトです。

従って、このFTはメインマイコン各部とサブマイコン各部のフォールトがいずれか一個の計2個起きるか、またはPCB上の電源ICがフォールト(BE025)するかのいずれかであり、マイコンとしては冗長構成をとる、安全性の高い回路となっていることがわかります。


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FTAのtree logic (3)

posted by sakurai on December 3, 2024 #905

3項以上の積項をカットします。その理由は3つ以上のフォールトが重なる確率は非常に低いため、規格上は安全フォールトとなっているためです。カットするには図905.1のように、Size <= 2と入力します。

図%%.1
図905.1 スライス入力

すると、積項数は図905.2のように65個となります。頂上事象侵害確率は$6.543\times10^{-5}$で前ページと変わりません。

図%%.2
図905.2 枝刈り後のMCS

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FTAのtree logic (2)

posted by sakurai on December 2, 2024 #904

前ページのロジックのMCSを取得したものを図904.1に示します。積項数は110個となりました。

図%%.1
図904.1 logic tree

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FTAのtree logic

posted by sakurai on November 29, 2024 #903

前記事#28のFT図の論理を再構成しました。これはトランスファーゲートを多用したもので、具体的にはメインマイコン系とサブマイコン系の故障木が何回も現れるので、最初の木はそのまま構成し名前を付け、2度目以降は出てきた場合にはその名前の木に飛ばす機能を持つゲートを用います。

図903.1のうち赤上↑がトランスファーゲートで、既に出てきている同じ木であることを意味します。

図%%.1
図903.1 logic tree

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定量FTAによるPMHF計算法 (7)

posted by sakurai on April 6, 2023 #591

規格の例題のALUの永久故障に関するパラメータをまとめます。図は論文に投稿したターゲットサブシステムの図です。

図%%.1
図591.1

この図に基づき、規格のFTから得られたobservable parametersを以下に示します。 $$ T_\text{lifetime}=5,000 [H] $$

$$ \begin{eqnarray} \text{IF}\quad &&\left\{ \begin{array}{l} \lambda&=&3.48\times10^{-11} [H^{-1}]\\ DC&=&\text{nonexistent}\\ \tau&=&\text{nonexistent} \end{array} \right.\\ \text{SM1}\quad &&\left\{ \begin{array}{l} \lambda&=&2.9\times10^{-12} [H^{-1}]\\ DC1&=&0.2\\ DC2&=&\text{nonexistent}\\ \tau&=&\text{nonexistent} \end{array} \right.\\ \text{SM2}\quad &&\left\{ \begin{array}{l} \lambda&=&0 \\ DC2&=&0.9\\ \tau&=&1.0 [H] \end{array} \right. \end{eqnarray} $$

それぞれ、IF, SM1, SM2について説明を示します。

  • ミッションタイム:車両寿命$T_\text{lifetime}$です。
  • IF:ALUはIFなのでそもそもカバレージ$DC$も定期検査周期$\tau$もありません
  • SM1:ALUは冗長系ではないため、ALUはレイテントフォールトとなりません。そのため、ALUにはSM2は存在せず、LFカバレージ$DC2$もなければ定期検査周期$\tau$もありません。一方、ALUに対するVSG抑止カバレージ$DC1$は存在します。
  • SM2:SM2は故障しないため、SM2の故障率$\lambda$はゼロです。一方、SM1に対するLFカバレージ$DC2$及び定期検査周期$\tau$が存在します。

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定量FTAによるPMHF計算法 (6)

posted by sakurai on April 5, 2023 #590

今までの結果を数式にまとめます。ORゲートまで戻るとLFの項にlatent確率、detected/percieved確率の2つだけでなく、3つ目としてサブツリー確率の和となっています。同様なので本記事では省略しますが、サブツリーの内容はアラームのフォールトとなっています。検出機構だけでなくアラームも2nd SMの一部であるため、LFとして同様に、検出部分と非検出部分に分解して加算するのが正しい方法です。

図%%.1
図590.1 規格1st editionのFTA図構成

今までの式をまとめると、確率は、 $$ Q=\lambda_\text{IF}T_\text{lifetime}\left[(1-DC_\text{1})+\left\{\lambda_\text{SM1}T_\text{lifetime}(1-DC_\text{2})+\frac{1}{2}\lambda_\text{SM1}\tau DC_\text{2}\right\}\cdot DC_\text{1}\right]\tag{590.1} $$ これを時間平均したものがPMHFなので$T_\text{lifetime}$で割れば、 $$ \require{color} \definecolor{pink}{rgb}{1.0,0.8,1.0} M_\text{PMHF}=(1-DC_\text{1})\lambda_\text{IF}+DC_\text{1}\lambda_\text{IF}\left[(1-DC_\text{2})\lambda_\text{SM1}T_\text{lifetime}+\frac{1}{2}DC_\text{2}\lambda_\text{SM1}\tau\right] \tag{590.2} $$ ここで、 $$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} (1-DC_\text{1})\lambda_\text{IF}&=&\lambda_\text{RF}\\ DC_\text{1}\lambda_\text{IF}&=&\lambda_\text{IF,MPF}\\ (1-DC_\text{2})\lambda_\text{SM1}&=&\lambda_\text{SM1,MPF,lat}\\ DC_\text{2}\lambda_\text{SM1}&=&\lambda_\text{SM1,MPF,dp} \end{array} \right.\\ \end{eqnarray} \tag{590.3} $$ であることを用いれば、 $$ M_\text{PMHF}=\lambda_\text{RF}+\frac{1}{2}\lambda_\text{IF,MPF}(\colorbox{pink}{2}\lambda_\text{SM1,MPF,lat}T_\text{lifetime}+\lambda_\text{SM1,MPF,dp}\tau) \tag{590.4} $$ とまとめられるものの、レイテントフォールトの係数が誤っているように思います。RWBの調査をしなければ不明ですが、ミッションタイムを手入力したときのみ$\frac{1}{2}$を掛ける仕様なのでしょうか。もしそうならレイテントの場合だけは、$\frac{1}{2}T_\text{lifetime}$を手入力する必要があります。

正しくは、フォールト順序がSM1⇒IFの場合には、(590.4)のピンクで示した"2"を削除した、 $$ M_\text{PMHF}=\lambda_\text{RF}+\frac{1}{2}\lambda_\text{IF,MPF}(\lambda_\text{SM1,MPF,lat}T_\text{lifetime}+\lambda_\text{SM1,MPF,dp}\tau) \tag{590.5} $$ となります。このようにマニュアルで木構造を構築するのはかなり大変なので、ツールにPMHFモデルが組み込まれることが望まれます。


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定量FTAによるPMHF計算法 (5)

posted by sakurai on April 4, 2023 #589

次にSM1のフォールトが、2nd SMであるSM2により検出可能にもかかわらずLFとなる確率を示すANDゲートです。

SM2によりSM1のフォールトが検出されない部分は前ページのツリーでした。このページはSM2によりSM1のフォールトが100%検出される部分なので、基本的にはLFにはならないように思われます。実は、SM2の検査周期以内ではSM1のフォールトの検出できないことから、微小な確率が残ります。

図%%.1
図589.1 規格1st editionのFTA図構成

ANDゲートの左下の事象はSM1のフォールトが検査周期内にフォールトする確率です。故障率に掛ける時間がデフォールトのミッションタイムである車両寿命ではなく、特殊なミッションタイムである検査周期となるため、注意喚起のため本記事でのみ、事象を黄色で塗っています。そのため事象には、故障率$\lambda_\text{SM1}$だけでなくミッションタイム$\tau$も入力します。計算では以下のように$\frac{1}{2}$をかけているようで、確率は $$ \require{color} \definecolor{pink}{rgb}{1.0,0.8,1.0} Q=\frac{1}{2}\lambda_\text{SM1}\tau=\colorbox{pink}{0.5(?)}\cdot2.9\times10^{-12}\cdot1=1.45\times10^{-12}\tag{589.1} $$ となっています。0.5の理由は不明です。

ANDゲートの右下の事象はSM2によるレイテントフォールトカバレージで、$DC_\text{2}$を示します。 $$ Q=DC_\text{2}=0.9\tag{589.2} $$ となっています。


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定量FTAによるPMHF計算法 (4)

posted by sakurai on April 3, 2023 #588

別ページのサブツリーです。これはSM1のフォールトによるLFの項を表すORゲートです。内容は3つの確率の加算となります。

図%%.1
図588.1 規格1st editionのFTA図構成

確率の和は、 $$ Q=2.176957\times10^{-9}\tag{588.1} $$ となっています。

次にORゲートの左下に接続されるANDゲートは、2nd SMであるSM2によって検出されないSM1のフォールトのLFを表す確率です。 その確率は、 $$ Q=1.45\times10^{-9}\tag{588.2} $$ となっています。

図%%.2
図588.2 規格1st editionのFTA図構成

ANDゲートの左下の事象は、SM1の故障率事象です。同様にミッションタイムが自動掛け算され、 $$ Q=\lambda_\text{SM1}T_\text{lifetime}=2.9\times10^{-12}\cdot5.0\times10^{3}=1.45\times10^{-8} $$ という計算が実行されています。

ANDゲートの右下の事象は、SM2のレイテントフォールトカバレージの残余$1-DC_\text{2}$です。

$$ Q=1-DC_\text{2}=0.1=1.0\times10^{-1}より、\\ DC_\text{2}=90\% $$ と逆算されます。


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定量FTAによるPMHF計算法 (3)

posted by sakurai on March 31, 2023 #587

前ページ右下のORゲートから左下への事象です。これはRFの項を表しており、ALUのフォールトカバレージ残余である$1-DC$が接続されています。

図%%.1
図587.1 規格1st editionのFTA図構成

ここで確率に着目すれば、 $$ Q=1-DC_\text{1}=0.8=8.00\times10^{-1}より\\ DC_\text{1}=20\% \tag{587.1} $$ と逆算されます。$DC_\text{1}$のような無次元の定数にはミッションタイムは自動掛算されません。

次に同じくORゲートから右下への事象です。これはDPF確率を示すANDゲートです。

図%%.2
図587.2 規格1st editionのFTA図構成

このANDゲートの左下への分岐はLFのサブツリーとなっています。

右下への事象はIFのDPFフォールトを表す事象で、具体的にはSM1でVSG抑止された部分である$DC$を示しています。 $$ Q=DC_\text{1}=0.2=2.00\times10^{-1}より、\\ DC_\text{1}=20\% \tag{587.2} $$ となっています。


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